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「みわ、お野菜もたべれるんだよ!」
おぼつかない手つきで操られた箸が、ほうれん草の煮浸しをぽろぽろ机にこぼしながら口に運ぶ。
「お野菜こぼれてるよ」
「みわちゃんはまだひよこ組さんだからいいんだよ」
3歳児から5歳児までが入り混じる夏休みの保育室。
5歳児のみうは、3歳のみわを気遣うように言った。
「ふわりちゃん見て、りょうへいのお箸、キョウリュウのやつ!」
「ぼくのは黒の、かっこいいやつ〜!」
「先生おかわり〜!!!」
騒がしくも楽しい給食。
「みうくんなにしてるの?」
「こうやって食べると美味しいんだよ!」
シチューにパンを浸して食べるという、まったく新しい画期的な食べ方に感動しながら、ふわりはシチューのグリンピースを皿の端に追いやった。
いち早く完食したりょうへいは、早くもおかわりを取りに行き、みわは、なんとなくパンをちぎって机に並べていた。
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