episode 8

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「瞬一さん。今日ピッチ早いね…大丈夫?」 すると真っ直ぐ前を見たままで。 「美羽が吞まないからだよ。」 「あっ、そうだね。ごめんね呑めなくて。」 「良いよ別に…はぁ…なんか酔いが回って来た。」 すると後ろに両手を付いて足を投げ出しながら酔っぱらいの目つきで私を見てくる。 その感じがなんだか変にいやらしくて私は瞬一さんから目を反らしアイスを突いた。 すると左隣に座る瞬一さんの手が私の耳元の後れ毛を触る。 だけど私はそれに反応せず瞬一さんの方を見る事もせずひたすらアイスをスプーンでほじっていく。 やがて耳元にあった手は耳たぶを挟む様に触り今度はうなじに線を引きながら肩に降りていく。 ゾゾッと鳥肌が立つ。 瞬一さんの指が冷たく感じる。 何時もの感覚と違う。 触れられれば温かみを増す私の肌がどんどん冷えていく感じ。 グイッと強い力で首元を持っていかれ口を塞がれる。 私の舌を見つけるとたちまち絡み合わせてくる瞬一さんに私は何時もよりも控え目に応えてしまう。 そんな私が物足りないと言わんばかりに瞬一さんの口は更に私にピタリと張り付き口内を乱暴に貪る。 アルコールの匂いが今夜はやけに鼻に付きそして強引な瞬一さんを私は受け入れられない。 私から口を離すとそのまま下に寝かされた。 床の冷たさに背中がヒヤリと服を通して反応する。 裾を胸の上へと捲り上げ腹部を唇が這う。 そして瞬一さんの手がブラを掴み上にスライドさせると露わになった二つの膨らみを鷲摑みされ僅かな痛みが走る。 そして何時もより体を密着させてくる瞬一さんの体が少し重たい。 胸に痛みを感じながらされるがままにそれが終わるのを待つと股の間に手が届いた。 下着の中に手が入りアラ探しでもされている感覚を覚えると思わず脚を閉じてしまった。 けれど瞬一さんの脚が閉じた足を直ぐに開きに掛かる。 痛い…。 細くて柔らかだと思っていた瞬一さんの指が棘を持つ指に姿を変え私は心で小さく震える。 瞬一さんの指が動けば動く程体は強張るばかり。 何度も待ってと口が形を作るけれど何故か声が出て来ない。 私はこの状況に困惑しひたすら行為を耐えるしか無かった。
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