episode 6

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「あっそ。それより早くお風呂入って。後が詰まるから。」 「水飲んでから入ろうとしてたんだよ。そうだ。橋本ん家のお風呂もトイレ借りた時チラッと見たけどリフォームしたみたいで綺麗だったな。橋本はあんな綺麗なお風呂に入ってんのか…今頃入浴剤とか入れて良い香り漂わせてんのかなぁ~それはそれでまたやばいなぁ。」 「だからっ、その…前にも似たような事言ったけど一花の部屋に行ったとかそんな鼻の下伸ばしたまま彼女に会ったら本当喧嘩になるんだからね。知らないよ。」 「美羽だって神谷さんと会ってた時顔緩みっぱなしで俺と変わらないだろ。ってかさっきから突っかかって俺に何か言いたい事でもあるの?何?言ってみてよ。ほら…。」 言われてみれば感情剥き出しで言葉が暴走している。 でも今日の私は止められ無くて。 「拓がそういう想像ばかりするからあんな事私にしたんでしょっ!」 はっ!? 違っ、違う。 そういう意味じゃ無いのに、、 「…っあ、つまり私が言いたいのはそうじゃ無く…て。」 「…そうだよ。」 「え?」 拓はまた表情を変え悲しそうに私を見てくる。 「男は何時だって女性を求めるし例え気持ちの無い相手とだって交わる事だって出来るしな。今日橋本と二人で居た時間さえ頭の中はそんな風に一度は過った。でも一般的な男ならそれが普通なんだよ美羽。」 「そう…だね。」 「あんなに大人ぶって余裕こいてる神谷さんでも頭ん中じゃ美羽と相当エロイ妄想してるはずだぜ。もしかしたら俺なんかよりはるかに凄い…口では言えない位のな。」 「わ、分かった。もうこの話はお終い。」 「けど。肌に触れて抱き締める事が出来ても気持ちの無い相手としたって虚しいだけなんだよ所詮。」 「…なら。私を触れてみてどうだった…?」 わたしは見上げた拓の目をしっかり捉えながら言った。 するとカチッとペットボトルの蓋を開け水を口に含むと右手で私の腰を引き寄せ上から唇を押し当てて水を中に流しこむ。 驚く暇も無くされるがまま私は拓に合わせる。 拓が上手く舌を使って伝わせてくると私の喉はゴクリと鳴った。 拓の柔らかい唇の感触が私の体を火照らせる。 クイッとまた口に含んで私の中に流しこむ水は小ぶりな私の口内を一瞬にしてあふれさせ息つぎもろくに出来ないまま私は溺れてしまう。 そんな状況でも私に構う事無く拓の舌は口内を激しく泳ぎ回り私は外の空気を必死で取り入れる。 鼻息が乱れる。 いよいよ酸欠で頭がぼぉっとしてくる。 でもそれでも少しずつ飲み込んでいく。  そしてゴクリと残りの水を喉に流し入れたけれど拓の唇は私を離してはくれずより深くなるばかり。 拓の息づかいも荒く激しくなり両手で私を抱きしめる。
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