episode 7

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橋本に言われた通りの道を進んで行くと一件のアパートが見えてきた。 外壁が茶色で二階建ての割と新しいアパートの階段を登り一番奥の扉へと向かう。 ポケットから預かったばかりの鍵を取り出して丁寧に差し込みゆっくりとドアノブを引く。 パッと自動で玄関のライトが点灯してつい驚いてしまった。 靴を脱ごうと足下に目をやるとシューズボックスや玄関の端に綺麗に整理整頓された橋本の靴が並べられていた。 俺は靴をサッと脱ぎ上がって直ぐにあるキッチンの横を通り部屋に入った。 部屋は一つだが生活するには申し分なさそうな広さだった。 真ん中には小振りな木製のテーブルがありその向こうにはテレビ、そして反対側の壁際にベッドがピタリとくっつく様に置かれサイドテーブルには写真が…。 良く見ると中学の同級生達でその中には美羽も居た。 何年か前に美羽と橋本が仲良しグループだった仲間と集まって撮った時のものだろうか。 親友の部屋にいる俺はこちらを向いて笑っている写真の美羽になかなか目が合わせられないでいた。 写真からフイッと顔を背けるとテレビをつけて買って来た飲み物とスナック菓子に手をつけ橋本の帰りを待った。 ─────────。 「…く、拓。」 …っん? 橋本が俺の肩を揺すっている。 ガバッと体を起こし腕時計を見ると何時の間にかあれから二時間が経ち橋本が帰って来る時間になっていた。 どうやらテレビを見ながらテーブルで寝落ちしてしまっていたらしい。 「拓、口。ヨダレ。」 ふふふっと笑いかけながら俺の顔を覗き込む様にして口元をティッシュで拭いてくれた。 改めて近くで見る橋本の顔が綺麗でジッと見つめる。 すると口元を拭いていた橋本の手が止まった。 「あっ…まだ寝たかった?ごめんね。」 俺はティッシュを握る橋本の手を口元から離しほんの少し顔を傾ければ届いてしまう赤いリップがのせられた唇にそっとキスをした。 甘い香りのするリップが俺の理性をくすぐる。 一度離れた唇を再び迎えに行くと橋本の唇にのせられた甘いリップを余すところなく舌を使ってまるでデザートでも食べるかの様な感覚で全て舐め上げる。 その弾力のあるグミにも似た橋本の唇を甘噛みし、更には飴の様に口先で弄ぶ。 目がトロンとしてきた橋本を抱き上げベッドに運んだ。 そして更に口内に舌を入れてお互いの柔らかさを確かめ合うともう橋本しか見えなくなった。 洋服をあっという間に脱がせるときめの細かい白い肌が露わになる。 お腹にそっと手を這わせていくとビクッと体が反応した。 橋本の顔を見ると目を閉じながら顔を赤らめていた。 その橋本がまた可愛いく映って全てに触れたくなり身に纏っている物を残らず外していく。 もう後戻りはしないと橋本の胸に顔を埋めていった。
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