episode 7

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「お誕生日おめでとう!」 テーブルには私が用意した沢山の料理と拓が買って来たシャンパンを並べ三人でグラスで乾杯しお父さんを祝った。 そして私はさっきからウズウズとテーブルの下でスタンバイしているプレゼントを先にお父さんに渡した。 お父さんは受け取るなり直ぐにラッピングを剥がして中身を確認すると瞬く間に笑顔に変わり早速自分のスマホに被せた。 すると自分の顔に近づけて今度は満足げな顔を見せた。 「うん!やっぱりそのデザインにして正解!よく似合ってるお父さんに。」 「ありがとう美羽。大事に使わせてもらうね。」 私のプレゼントに喜びながらそして何時もの私の手料理よりもより一層美味しそうに口に運んでくれるお父さん。 仕事早く終わらせて頑張って作った甲斐があったな…。 拓をチラリと見ると特別笑顔では無いにしても目の前の私の料理を食べてくれている。 それに今日の日の為に時間を作ってくれた拓。 とりあえず私はそれが嬉しかった。 一花とのあのやり取りを見てから私は拓は拓で心境の変化が何かしらあったのだと思う事にしてもう余計な事は考えない様にした。 それに仕事も忙しくしていたお陰でそんな暇も無い程だった。 「毎年こうやってお父さんのお祝い二人がしてくれて幸せ者だな。家族写真も記念に撮れたしもうこれ以上は何もっ…、、」 「ちょっとお父さんっ、泣かないで、ね。」 「父さん何泣いてんだよ。はは。」 リビングの壁に飾られたシルバーのフレームに収まる家族写真を見ながら感極まるお父さん。 そんなお父さんを微笑ましく見守る私と拓に更にお父さんは涙を流す。 「本当に幸せ過ぎて胸が一杯でさお父さん。」 「私もお父さんと一緒だよ。これ以上の幸せは無いかもなって思うの。お父さんとそれから拓が目の前でこうして居てくれる事が私にとっての幸せ。三人が家族なんだっていうこの揺るがない形を私は大切にしていきたい。だから二人共これからもよろしくお願いします。」 私の家族に対する思いを口にするとお父さんは終始頷きながら、拓は目線を下に外しながら黙って聞いていた。 良いんだよね…これで本当に。 自分に問い掛ける。 これでもう様な事なんて無いんだよね。 拓──────。 白い肌がじんわりと熱く火照っていく。 陶器を思わせる滑らかな肌質に幾つもの唇を落とす。 静まり返る部屋に雫を絡ませた口付けの音だけが鮮明に響き渡りそれだけで満たしてしまいそうな感覚に襲われる。 片手に収まる膨らみをそれぞれの手で包み込み赤い先端を雫を纏った舌で刺激すると橋本の口から小さな声が漏れた。 繰り返し舌を動かす度にそれに反応し声と吐息の混ざった様な音を出す。 素直に応えてくれているのを実感し更に深く橋本を求めて行く。
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