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序章 魔法の世界
〈魔法〉。
それは太古の昔から受け継がれてきた超常の科学。
常人の百倍もの力を発揮し、炎や風を人の意思に従えさせる異能の技術。
そして徹底的な検閲と隠蔽により、人々がその実在を知ることは決してなく。
ただ神話やおとぎ話の一部としてだけ語られてきたもの。
やがて21世紀も折り返し、西暦2050年の〈東京コロニー〉でもそれは変わらず。
〈魔法使い〉たちは日夜、暗闘に明け暮れていました──。
§
『よし、決まりね♪ それじゃ早速、明日から訓練を始めるから』
ネオ・バプテストからマリナを護る──護れるぐらい強くなることを決意したあの日。
私はそのマリナともども〈魔力〉に目覚め、あの白軍服の少女から魔法を教わる〈見習い魔法使い〉となりました。
ちなみにあの人の官姓名は深川ナツミ1佐、今年で三十二歳。十二歳ぐらいにしか見えなかったけど立派なアラサーで、もう十年以上も魔法使いやってるベテランだとか。
その深川ナツミ1佐、もといナツミ教官の教え子となった私たち。
魔法を使うことにも慣れ、実戦形式の訓練にも手を付け始めた……そんな四月のある日のこと。
私とマリナは、初めて魔法使いの仕事場へ出ることになりました。
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