幼馴染は人気者

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幼馴染は人気者

「ごめんねー、シャワー使わせてもらった上にシャツまで借りちゃって」 「いや、まあ、運が悪かったよ、急に土砂降りにあうとは、思ってなかったしな……」 「ベッド座るねー、結構部屋きれいにしてるんだね、昔と大違いだー」 「昔って、何年前の話だよ」 「十歳くらいの時とかよくゲームしてたじゃん? 散らかり放題で座る場所にも困ってた部屋とは思えないよ。また同じクラスに慣れて私嬉しいな」 「お、おう、そうだな、俺も、嬉しい」 「でさ、話変わるけど、高校で彼女とかできた?」 「いや、できねえよ……、俺そんなモテねえし」 「えーー、陰で結構イイかもって噂なの知らないのー?」 「誰だよそんな噂流したやつ」 「発信源は私」 「何してんだよ」 「えへっ、でもさでもさ、女子の間ではかっこいいーって人気なのは確かなんだよ?」 「マジなのかよ……。でもお前も、男子の間では可愛いって人気なんだぞ」 「うん知ってる」 「知ってんのかよ」 「そりゃねえ。でさ、お互いに恋人のいない同士、彼女がシャツ一枚の薄着でベッドに腰掛けて頬を染める、そんな状況に、キミは何か思うところとかないのかね?」 「やかましい、別に頬は染めてねえわ」 「ねーねー、久しぶりに二人きりになれて、私、期待してるんだよ?」 「ちょ、おい……」 「ひょっとして、未経験……?」 「いや、未経験も何も……、おいやめろにじり寄ってくんな」 「やめてほしい?」 「やめてほしいも何も、だってお前」 「私じゃ、興奮しない?」 「だってお前男じゃん!」 ーーー 練習問題⑨ 方向性や癖をつけて語る 問一 会話文だけで執筆すること ーーー  悶絶しそう。途中までで少し勃起したのはここだけの秘密だ!!!  BLじゃねえな、男の娘だな。ジャンルとしては。  この課題の元になるテーマは「直接言わない語りーー物事が物語る」というものである。以前の投稿にも書いたと思うが、物語というものは、直接描かない中にも何かしらの臭わせやその影となる部分というのが存在する。それを書くにあたって、地の文で設定等をつらつらと何ページにも渡って書きまくってしまいがちの作家は少なくはない。それを防ぐのであれば、やはり自然な会話の中でどうシチュエーションや設定等を広げていくかが、今回の課題なのだと思う。  そもそもがだ、地の文は確かに多い方であるという認識はあるけれど、設定を冒頭に書きまくった経験なんてない私にこの課題必要か、とも思う。やるけど。まあまあ中にはそういう人もいるということで、それを気づかせるためにこの課題が設けられているのかとは思う。ただ、そういう人って会話分の中でも、登場人物にめっちゃ説明させるよね。多分、これは病気だな。
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