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執事でも、男に変わりはありません。
わたしの毎朝の起きる時間は、至って普通に6時半。
起こしてくれる相手が目覚まし時計じゃなくて“執事”って事くらいで、これと言って変わらない朝。
「緋奈星さま。7時になります。そろそろ起きませんか?」
「ん〜……あと1時間……」
「何を子供みたいな事を言っているんですか。5分ならまだしも、1時間なんてもう起きる気ゼロじゃないですか」
そう。執事とは【真白 燈冴】くん。9月15日の生まれ、31歳の独身。
甲斐甲斐しくわたしの部屋まで起こしに来てくれるのが日課だけれど、優しい言葉とは裏腹に問答無用にカーテンを全開し、まるで母親みたいな起こし方をしてくる。
「眩しい……」
視界に入る陽射しに思わず顔を歪め、掛け布団を頭まで被って寝返りを打つけど優秀な執事は容赦ない。
「はぁ……起きないつもりです?」
『それならば…』と彼の気配を近くで感じたときには、頭まで被っていた布団を一気に剥がされ
、次いでベッドはわたし以外の重みで軽く沈むから目を開けざる得なくなってしまった。
「……何してるの、燈冴くん」
飛び込んできた美形イケメンフェイスのドアップに、朝の目覚めは最高だけど、覆いかぶさるように床ドン……ならぬ枕元に手をついて顔を近付けているのは、なぜだろうか。
「起きないのなら俺が強引に起こそうかと思って。」
ニコリと微笑み、さらりと強姦発言。
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