最終章:無彩色な貴方に恋をしました。

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 わたしも気になったその答え。燈冴くんが考えている事ってーーーー 「一度お断りしたのに突然このような事……社長には本当に申し訳なく思っております」  難しい顔で謝罪の言葉を口にする燈冴くんに対し、父は頷くわけでも、首を横に振るわけでもなく、真剣な彼の瞳をジッと見つめている。 「今回の鮎沢社長との一件で私自身も悩みました。あの方の考えている今後の経営方針をはじめ、赤字になる勢いの額の動き方にはこのままだとこの会社はあっという間に潰れてしまいます。それが私には納得いかないんです」    眉間に皺を寄せ語尾を強めて訴える燈冴くんのからは、必死さが伝わってくる。わたしの父を…社長を想う彼だからこそ許せないって。  そしてそれはたぶん、父にも伝っていた。 「本当にいいのか?燈冴くん自身の気持ちやこれからの人生もある。無理やり引き受けてもらってキミの今後を潰してしまうのは心苦しい」  複雑な思いなのはわたしにもわかる。次期社長というのを今すぐどうにかする問題じゃないけれど、会社の安定のために必要だという事。 けれどそれを強制して押し付けるのは間違いだと。  しかし燈冴くんは、瞬き1つせず真剣な目つきで父の話を聞き、その上で首を縦に振って答えた。 「会社を守りたいと思っております」
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