前話 あるパン屋の日常

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前話 あるパン屋の日常

 小さなパン屋のお店は、開店するとお客が詰め掛ける。従業員は増やさないので、店主のモーカスさんと、奥さんのリデロさん接客担当の私の3名で、毎日変わらずパンを提供する事が、日常の平凡な毎日だった。  いいなあ夫婦って、いきなり白馬の王子様が現れて言い寄られないかな。そんな妄想すら許されず、売り子の私はお客さんが行列を作って待っている。 「コイツとコイツとコイツを、3個ずつくれ」  は? いやいや、パンの陳列してるショーケースのパンを指差しで指定した。お客さんの注文通り業務用マジックポケットリングから商品を取り出し、お客さんに確認してもらうと問題無いようだ。紙袋に詰めると。 「占めて900プルーフです」  男性は1000プルーフ塊を1個手渡す。私は業務用マジックポケットリングから、つり銭の100プルーフ塊を1個手渡し、お礼を 「ありがとうございます」  この行列を処理するのが私の役割。親方のモーカスさんは、もう1つの業務用マジックポケットリングから、私の使ってる業務用マジックポケットリングに、パンを補充する。  親方は小麦粉から様々なパンを作る、パン職人。補充に新作があるため、取り出してショーケースに並べる。そして行列の処理を行う。  ちなみにマジックポケットリングは平行世界に留保する、魔法の袋みたいな物と教わった。容量には限りがある。
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