2人が本棚に入れています
本棚に追加
成敗する!
「お待たせ、メグミ」
「光太郎、遅いよお〜」
駅前で待っていたメグミは
オフショルダーのブラウスにミニスカートで
ほっそりした体型に不釣り合いなほどの胸の膨らみが
相変わらずエロさ満点だ。
「とりあえずメシでも食おうぜ」
「やったあ!あたし、イタリアンがいいなあ」
「おう、任せとけ!」
財布にはツネコからくすねた金がまだ半分ある。
(今どきツネコとか、ダサい名前だよなあ)
イタリアン行って、その後はホテルだな(うへへ)
光太郎はメグミの肩を抱き寄せて歩き出した。
「ねえ、あの女とは別れられたの?」
「ああ、後腐れなくな」
2人でふふふ…と笑った途端、
メグミの姿が消えた。
「!!!」
見ると、メグミの立っていたところだけが
大きく穴が空いて、そこにメグミが落ちていた。
「だ、大丈夫か!?」
慌てて助けだそうとした光太郎は
顔を上げたメグミを見て悲鳴を上げた。
「うわあああっ!!!」
「え…?何…??」
「ば、化け物っ!!」
穴に落ちた拍子に顔を強く打ったメグミの鼻から
中に埋め込んであったプロテーゼが飛び出していた。
「お、おまえ、整形してたのか!?」
「えっ…きゃああああっ!」
自分の鼻を触って気づいたメグミも悲鳴を上げる。
「た、助けて…光太郎…」
「ざけんな、キモいぞ!!」
穴にメグミを残したまま、光太郎は逃げ出した。
通りでタクシーを拾い、そこに乗り込む。
「どちらまで?」
「とりあえず駅に行って」
シートに身を沈めると、光太郎はひと息ついた。
まさか整形美人だったとは。騙されるところだった。
危ない、危ない。あんな女は願い下げだ。
光太郎を乗せたタクシーはどんどんと走って
駅を通り越してまだまだ先へと進んで行く。
「おい…駅過ぎたじゃねえか。戻れよ」
「いえ、お客さんの目的地はまだ先ですよ」
「は?ふざけんな!!」
思わず掴みかかろうとしたが
なぜか体が言うことを聞かない。
なんだ??どうなってるんだ???
タクシーは埠頭へと到着した。
「どこだ、ここは!!」
「ツネコさまの金を返してもらうために
あなたにはしばらくマグロ漁船に乗ってもらいます」
タクシーのドアが開いた途端、
屈強な男たちに引きずり下ろされた光太郎は
埠頭に停泊していた漁船にそのまま乗せられた。
「バイバ〜イ、光太郎」
タクシーの運転手は煙と共にツネコに変わる。
お尻からフサフサと生えた尻尾を触りながら
ふふふ…と笑うツネコだった…。
最初のコメントを投稿しよう!