2日目

1/1
前へ
/4ページ
次へ

2日目

「今日も、会えませんか?」 次の日、彼女から連絡が来た 見かけによらず、随分と積極的な子だなと思った が、俺は少し迷っていた どうせまた昨日と同じような展開になる そろそろ次の子を探したい気もあるんだが ただ、自分から言ってきたということは なにか、ちょっと変わったのだろうか 俺はその期待を込めて、また会うことにした ――― ハチ公前に来ると、彼女はまだ来ていなかった 少し早く着きすぎたかなと、近くのベンチに座ろうとした時、声を掛けられた 「待ってましたよ。 今日は昨日よりも早いですね」 知らない女に声を掛けられ、俺は戸惑った 「だ、誰ですか?」 「誰って失礼な! 速水ですよ、速水桃瀬」 俺は一瞬、思考が停止した ――これが、昨日の彼女? 明らかに、昨日とは全く違う雰囲気 いや、雰囲気だけじゃない どこからどう見ても、"別人"だった 整形か? いや、1日でこんなに変われるはずがない そもそも声も全く違う 髪も短いし、身長も高い 「き、君が、昨日の?」 「はい、昨日デートした速水桃瀬です。あなたの名前は楠本和典。 一緒にカフェに入って、お互いカフェモカを飲みました。 その後、映画館で"シャイン"というアクション映画を一緒に見ました」 それは、間違いなかった ここまで完璧に覚えているとなると、同一人物なのか? 「そんなことより、早くご飯食べましょ? もうお腹ペコペコなんですよ〜」 こんなに喋る子でも無かったはずだが... ただ、俺としては どタイプだ ここまで可愛い子を、逃すわけには行かない 思いもよらぬ彼女の変化に 俺の心は、踊り狂っていた...
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加