高なる気分

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高なる気分

病院混んでる!駐車場からだいぶ歩かないと、だな。 片足けんけんは外ではとても不安定で、それでも何とか受付にたどり着いた。 階段から落ちた、と言うと、車椅子にのせてくれた。 診察・レントゲンと進み、レントゲン室では車椅子にすわったまま 「顎を少しあげて、頭をゆっくり後ろへ……」 気が付くと、私はベッドに寝かされていた。 「貧血だね。顔もぶつけたようだし。もう大丈夫だね」 「私、気を失ってたんですか?」 看護師さんが心配そうに見ていた。 そうなんだ。気を失うって。私…… 笑ってしまった。可笑しくて、楽しくて。 私、そんな体験しちゃったんだ!って思ってしまった。 再び診察。いよいよレントゲンの結果だ。 「折れてるね」 左足の踵に、しっかりはっきり、亀裂が入っている。 ギブスは思ったより簡単だった。 バケツに足を入れて、液体に浸けた包帯を足に巻いていく。 固まったら完成。石膏で型取りとか、ないんだ。 帰りは松葉杖を借りて、片足けんけんを卒業した。 病院の端っこの方の、人気のないところで、使い方をレクチャーされたから、早々に使いこなせている。 先生が待ってる病院へいこう。車でいいよね。 30分かかるから、タクシーはやっぱり使いたくない。 ギブスでサイズアップした左足を、やっと狭い運転席に押し込め、なんともない右足で、普通にアクセルを踏んだ。 ズキズキと痛むのは、下敷きになった左足と、顔の左側だけだった。
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