エピローグ

8/10
前へ
/287ページ
次へ
  「そうだ。ミケの時の魂の記憶はそのままに、新しい体へ俺が転生させた。もともとの身体は朽ちてるからな。じぞーが極楽へ連れて行ってくれたから、新しい魂に生まれ変わる事が出来たんだ。まさに仏と神の合体技だぜ」 「えっへん。ボク、ちゃんとミケを送り届けたからねー」  何とじぞーちゃんまで姿を見せてくれたのだ! 「じぞーちゃん!」  可愛い彼の声を聞いて、涙腺が崩壊した。そのまま人間の姿に戻ったじぞーちゃんをきつく抱きしめて、私は泣いた。 「みんな、会えてうれしいっ・・・・ひっく」 「もう、泣かんといてよ、神奈。そんなに泣かれたら・・・・ボク・・・・うえーん!」  じぞーちゃんまで泣き出してしまった。折角の再会だというのに、涙でボロボロだ。 「神奈、泣かないで。もっと早く会いに来たかったのだけれど、出来損ないの坊主がチンタラしているから、今まで会いに来れなかったのよ。坊主が来てくれなきゃ、地蔵が変身できないからね。こんな男でも、いなきゃ困るのよ。アタクシは神奈の傍にずっとついていて、貴女を見守っていたのよ。気が付かなかったでしょう?」  そうだったんだ、知らなかった。ずっと前から、ミケが傍についていてくれていたなんて・・・・。 「あ”? これでも最速でキングオブ神になったんだって! 自分で作った炎心の勾玉だぞ、これ! スゲーだろ」  首からぶら下げた、神様の証である勾玉を見せられた。色は綺麗な水色をしていた。翡翠色をしていた蒼玄様のものとは、やはり違う。言う通り自分で作ったのだろう。 「それでなにができるのよ。説明してみせなさい」 「よーし、聞いて驚くなあっ! この勾玉さえあれば、どんな山でも川でも大地でも、炎の力で燃やし尽くせるんだぜぇー!」  そんな恐ろしい術が込められた勾玉の力、この世でどうやって役に立てるのだろうか。正直、あまり役に立ちそうにない。  ・・・・相変わらず無茶苦茶で、変わっていないな。
/287ページ

最初のコメントを投稿しよう!

477人が本棚に入れています
本棚に追加