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「そうだ。ミケの時の魂の記憶はそのままに、新しい体へ俺が転生させた。もともとの身体は朽ちてるからな。じぞーが極楽へ連れて行ってくれたから、新しい魂に生まれ変わる事が出来たんだ。まさに仏と神の合体技だぜ」
「えっへん。ボク、ちゃんとミケを送り届けたからねー」
何とじぞーちゃんまで姿を見せてくれたのだ!
「じぞーちゃん!」
可愛い彼の声を聞いて、涙腺が崩壊した。そのまま人間の姿に戻ったじぞーちゃんをきつく抱きしめて、私は泣いた。
「みんな、会えてうれしいっ・・・・ひっく」
「もう、泣かんといてよ、神奈。そんなに泣かれたら・・・・ボク・・・・うえーん!」
じぞーちゃんまで泣き出してしまった。折角の再会だというのに、涙でボロボロだ。
「神奈、泣かないで。もっと早く会いに来たかったのだけれど、出来損ないの坊主がチンタラしているから、今まで会いに来れなかったのよ。坊主が来てくれなきゃ、地蔵が変身できないからね。こんな男でも、いなきゃ困るのよ。アタクシは神奈の傍にずっとついていて、貴女を見守っていたのよ。気が付かなかったでしょう?」
そうだったんだ、知らなかった。ずっと前から、ミケが傍についていてくれていたなんて・・・・。
「あ”? これでも最速でキングオブ神になったんだって! 自分で作った炎心の勾玉だぞ、これ! スゲーだろ」
首からぶら下げた、神様の証である勾玉を見せられた。色は綺麗な水色をしていた。翡翠色をしていた蒼玄様のものとは、やはり違う。言う通り自分で作ったのだろう。
「それでなにができるのよ。説明してみせなさい」
「よーし、聞いて驚くなあっ! この勾玉さえあれば、どんな山でも川でも大地でも、炎の力で燃やし尽くせるんだぜぇー!」
そんな恐ろしい術が込められた勾玉の力、この世でどうやって役に立てるのだろうか。正直、あまり役に立ちそうにない。
・・・・相変わらず無茶苦茶で、変わっていないな。
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