どうしようもない哀しみ

6/10
前へ
/10ページ
次へ
(さとる)っていうんだ」 そう言った。 「悟」という名前は、私の一番好きな男の人の名前だ。 悟と名乗ったその人は、勝手にコーヒーを煎れて、ソファでくつろいでいた。 私は、なんだか、もうずっと前から、悟と一緒に暮らしていた気持ちになった。 仕事がなくなってから、私は夜になると、決まって哀しくなった。 ベッドで一人、涙を流していた。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加