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「こんにちは」
またよく知る声が聞こえた
「誰」
また私だった
さっき会ったのとは違う
「パラレルワールドってやつだよ」
日本語不自由なのしかいないのか
「私はあなた。でも、あなたより頑張ったから第一志望の高校に合格してる」
胸を張って自慢げな私
「学校は大変だけど、公立の方が安く済むしね。今までの投資が報われたって感じ? 」
意地悪い私
「羨ましい? 」
耳元で囁く私
「いいえ、全く」
「どうして? 悔しくないの? 」
「まさか」
「あなたも私ほどではないにしてもそこそこ頑張ってたんでしょ? 」
「中学受験の時と同じだし」
「……かわいそうに」
本当に何しに来たんだ
「私今の高校の中では結構優秀なの」
「もうそうなれないなんてかわいそうに」
私は笑う
「どうせ、今の私は落ちこぼれだよ。でも、絶対あなたの方がかわいそうだって、皆憐れむよ」
「帰って」
「ええ、さようなら」
私が消えた
「さようなら」
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