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ギリシャ神話の桃太郎
「直接仕留めなかったのは、3歳児とはいえ腐っても桃太郎・・・反撃を恐れての事か・・・」
さすがは向こうの転生者・・・侮れない
今回は犬、猿、キジを仲間にする以前に、この海のど真ん中で死ぬのだろう
もうリセットされて最初からやり直しも無いかもしれない
「あっ、これ、きび団子・・・」
たまたま持っていた袋にきび団子が入っていた。子供の本能の成せる技なのか、無意識に寝る前おやつをこっそり隠し持ったのかもしれない。袋の中のきび団子を、俺はモグモグと食べる
「おばあさんの作ったきび団子美味いなぁ、桃太郎に出てくる本物のきび団子だもんなぁ・・・コレが最後の晩餐でも悪くないかな・・・残りは・・・2個かぁ・・・」
転生しても何も出来ない人生だったな・・・
そういえばあの子は助けられたのかな・・・
車に轢かれて、すぐ意識を失ったから確認できなかったな
最後にもう一度だけ顔を見たかっ・・・
ザッパーーーン
「ぶへっ‼︎ぺっ‼︎クソ‼︎海水思いっきり口に入った‼︎ぶへっ‼︎」
「・・・見つけた。ここに生き残りがいるよ」
「良かった。引き上げてもらって良い?ヘラクレス」
「・・・わかった」
ブンッッッ‼︎‼︎‼︎
俺が乗っていたタライに誰かが乗ったかと思うと突然空に投げ飛ばされた
「えっ⁉︎なっ⁉︎・・・高っ⁉︎」
空から下を見ると巨大な船があった。あんなデカい船の接近に気付かない程、俺は途方に暮れていたのか
ドーーーン
船に思いっきり体を打つ
「イテテ・・・」
あれっ?手が、指が、体が急激に成長している。なんで?おばあさんのきび団子の効果なのか?
「ちょっとヘラクレス、アルゴノーツじゃないわコイツ‼︎」
「すまない、小さくてよく見えてなかった。敵なら倒す・・・」
「ヘラクレスちゃん、倒すのでは無く捕まえましょう。ポルクスちゃんは縄を持ってきて」
ち、ちょっと待て、何が、てかヘラクレス?ポルクス?アルゴノーツ?それって・・・
アニメ・ゲーム・ラノベでもよく題材にされるから何回も耳にする名前、単語・・・
「まさか⁉︎ギリシャ神話か⁉︎」
「なんだ?ギリシャゆかりの者か?」
「油断しない方がいいわよヘラクレス」
「だからって殴る準備をしないのポルクスちゃん」
俺の目の前には3人の女の子が立っていた
「ギリシャ神話のムッキムッキマッチョチョの英雄がぁ、見目麗しい女性になっているだとぉぉぉーーー⁉︎⁉︎⁉︎」
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