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夏瑛が好きなものを、他のみんなは〝気持ち悪い〟と言うのだ。
翌日、またこっそり拾った抜け殻を見せると、保育園の友だちは「キモチわるーい」と声をそろえた。
それから、大好きなカエルやトカゲの絵本を見せても「こんなの、きらい」とそっぽを向かれた。
反対に夏瑛は、友だちが夢中になっているきれいなお姫様の絵やテレビアニメのヒロインにはまるで興味がなかった。
小学生になると、夏瑛は自分の好きなもののことは言わずに、周りに調子を合わせることを覚えるようになった。
そんな夏瑛のオアシスは隣町の叔父の家だった。
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