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最後に相手のいない告白をして、隆也に思いっきり抱きついた。
頭まで押し付けて泣く私の声は風とエンジン音が掻き消してくれていると信じて。
○
次の日が完全オフで本当によかった。目も腫れて喉も枯れて、人前に出られる状態じゃあなかったからだ。朝起きたら親には心配されたけど、徹夜で泣ける映画を見ていたと言ったらあきれられた。
そんな冗談を言えるほど、久志くんとのことを引きずっていなかったのは思いっきり泣いて、叫んだからだと思う。今度隆也にあったら何かお礼しないとな。
「……え、何で車?」
「兄貴が置いてったんだよ」
「えぇ車置いてくってなんで?」
「都内だと車で動くより電車で動いた方が早いみたいなんだよね。ま、本社勤務で給料も上がるから、必要になったら新しいの買うよ、ハハッ……だって」
「今の久志くんのマネ? 似てない」
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