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「来週から俺もあそこで働くから」
「は、はあ?!」
「シフトもお前と同じ、18時から24時まで。面接のときに小栗咲子さんの友人ですって言ったら、小栗さんの知り合いならって即採用だったぞ。信頼されてるんだな」
「ちょ……意味わかんない」
あまりの急展開にドキドキも顔の熱もどっかに吹っ飛んだ。いや、隆也と一緒に働くってさ……想像もできない。
何がナイスなアイディアだ、こっちからしたら全然ナイスじゃない!
「どうせ一緒に働いて同じ時間に帰るんだ。これからも送るよ」
「!」
「お前まだ大学まで車で行けないんだろ? おばさんから聞いたけど」
「ま、まあ」
「俺はもう行ける。つーか先週からもう行ってるんだけど。そのまま俺車でバイト出るつもりなんだ」
「……マジか、すごいね」
「いやすごかねーけど……まあいいや、だからお前がいつも通りバスと電車で大学行ってそのままバイトに出ても、俺がいれば足はあるってこと。しかも車。どう、この考え」
「……悪くない、かも」
「だろ?」
誇らしげに笑う隆也にわずかながら悔しさを感じる。そこで信号は青に替わり、隆也は再び前を向いた。
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