隣がいい

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 何となく眺めていたら、プッと小さくクラクションを鳴らされた。いつの間にか久志くんがいて、こちらに手を振っている。 「お待たせ、今日もお疲れ様」 「ありがとう」  いつも通り助手席へ乗り込みつつ、ちらっと後部座席を見る。よし、隆也はいない。昨日釘を刺しておいたからさすがのヤツも遠慮したのだろう。  迎えに来てもらえるのは今週まで、回数にすれば3回ほどしかない。隆也と違って社会人の久志くんとは滅多に時間が合わない。次会えるのだっていつになるかわからないと思った私は、久志くんに告白しようと決めた。 (うわあ緊張する……)  今日告白をして、明日返事をもらう。ダメでも最後の1日は隆也に来てもらってもいいし。OKもらえたら幸せだ。シートベルトを締めると車が動き出した。  さて、いつ言おう。家に着くちょっと前に言えば気まずさもあんまりないかな。 「来週にはもう迎えいらないんだっけ?」 「はい。日曜日に納車なんで」 「そっかあ……でも偉いよね。自分でお金貯めて車買って……俺はこの車、親に買ってもらったから」 「へ、へえ」 「だからまあ、間に合ってよかった」 「間に合う?」
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