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平行線の世界 蒼空から相談
ふたりがなんだかギクシャクして少したった頃、蒼空から美月の相談を受けた。
「美月、なんか浮気疑ってるんだよね……」
もちろん僕は、蒼空は浮気なんてしていないし、ふたりがすれ違っているのも、最近蒼空の仕事が忙しくて残業ばかりで、気持ちをぶつけ合うことが出来ていないからだということも分かっていた。
けれどもそのことは伝えずにいた。
美月は蒼空と同棲を始めると、すぐに仕事を辞めた。そして特に趣味もなく、人付き合いもしなくなり、蒼空が美月の全てになっていった。
仕事で帰りが遅かったり、他の人とメールをやりとりするたびに疑う質問をするようになっていったらしい。
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