美月を守る

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美月を守る

 それから少したった日、美月が事故にあってしまった。  軽い事故ですんだらしく直接本人から連絡が来た。  事故と聞いたとき、まず自殺を疑った。美月が消えてしまった時期がだいたい同じだったから、運命は変えられないのかと思った。  僕はひとめ生きている姿を確認するまで、パニックになっていた。  本当に生きていて良かった。  目の前から消えずにいてくれて。  あのことを鮮明に思い出した。  もう絶対あの時のような目に合わせない。あのようなことをさせない。  僕が守る。  いつの間にか泣き疲れて僕は眠ってしまった。  起きると毛布がかけてあった。  美月の様子を見に行くと、眠りながらとても辛そうに泣いていた。そっとずっと美月の手を握りしめた。  ついにその姿を見るのが耐えきれなくなって声を掛けてみた。  そして起きた美月は、今まで見てきた全ての夢の話と、蒼空とSNSで連絡をとっていたことを話してくれた。
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