美月・その後

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美月・その後

 コンテストで下の方の賞だったけれど、受賞して絵が展示される事になった。  自分の絵がこんな風に飾られるなんて。  嬉しさと緊張が交差して心が落ち着かなかった。  ちょうどその会場にいた時、私の絵をみてくれていたお婆さん2人組が 「綺麗ねぇ……温かい気持ちになれるねぇ」 と、褒めてくれていた。  こんな私が描いた絵でも、誰かにそう思ってもらえることが出来るんだ!  私の描いた絵が誇らしい気持ちで、堂々と壁に飾られているように感じた。  このコンテストで自信を持ち、どうしようか迷っていた個展を開いてみようと決心した。 「お母さん、私個展開くから見に来てね!」  子供が産まれてから、子育ての大変さを知り、きっと母も大変だったんだろうなぁって考えた。私は気難しい子供で夜泣きも凄かったらしいし。そんなことを考えていたらある日、急に連絡をしたくなった。 以前は自分のことを話すのが嫌だったし、必要な時以外連絡をしたくなかったけれど。母とは今は少しずつだけど、距離は縮まっている……気がする。
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