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悔しかったら、物語を作る。私はそうやって物事を処理してきた。自分のことを、認めさせたかった。
相手が気に食わないなら、内部にいる貴方に、この場で打ち負かす、ある意味脳内戦争。
僕は、そんな妄想を続けていた。
怖い奴だな、気をつけろ。
ある日、昔の先輩に唐突にそう言われて、僕は一瞬、固まった。
な、何を言ってんすか?
本当に誤解される。辞めておけ。
な、なにを?
尚も迫る彼に僕は動揺した。
なんでそんなに周りに対して敵対的なんだ?お前、そんなんだとそのうち誰も相手にしなくなるぞ?
それは…
嫌われたくないはずだ。前にもそう言った筈だ。何してんだ?おっかない。お前、怖いぞ?
訝しげに言う彼には、僕が威張って見えたらしい。
ある日の事、僕は自分より年上な彼に無尊な態度で、冷め切っていた。
多分、じれったかったんだ、きっと。毎日、ゆとりのない日々で、そんな気の抜く暇もなかった。昔みたいに、寄り道や道草もなく、時間割り通りに、目一杯仕事にかかりきりな毎日。それは、人も変われば担当も変われば、そう言うあの頃は良かったみたいな、そんな愚痴も抱く。
あんまり、苛々してると、そのうち、嫌になってアイツやめるぞ?
…まだ、オレのことがわかってない。
…わかってやるんだろ?
…
あまり、イライラするな、時間がないのはお前だろ?
……
たしかにそうだ。オレには時間がない。
何に焦っている?
…生きてる実感がしない事がしない、無感動な日々に。
…寝ろ。アホ。
彼は呆れた様にそう言って、かえっていった。
僕は本当に夢に対して、焦っている。夢は、叶えたい。
自分が生きていると感じるまで、イキイキと描く物語達。それが、僕の意味だから、大切にする。
読み飽きた本は潔く、処分した。
必要な本は、えっちな本で、真面目な本は、無味乾燥な味がした。
それが要らない本だ。
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