クライムノベル

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クライムノベル

所謂、犯罪小説の事だ。僕は、何故かそう言う、腐敗した臭いの退廃した、廃墟ビルの一角で、可愛い女子高生だったアイドルグループでまだ、落ち目やったその子に酷く入れ込んどったんや。それで、なんでそんな事したのか当たり前やろ?だって、自分より恵まれて居る奴の応援なんか出来んさかいな、ホンマやで。 僕は、確かに女がすきや、されどや?考えてみぃ、ワイはいつもいつも親父にどやされて、殴られて、言うことに逆らったらブン殴られるんや、そんな苦しい世界で生きとって、ナニが悲しうてそんなお嬢さんの稚拙な歌聴いて、下手くそのな癖に、ロックのなんたるかを知りもせんといて、よう言うワ。ホンマ、そんなアイドルなんかに時間を費やす馬鹿、自分が一番よう知っとるさかい、ホンマに嫌いでっせ。 彼はハイ、と手を叩いて目が醒めた?と尋ねる。 僕が返事に孫ついていると、彼はよう頑張りましたわ、あんまり自分に自信が無い様だったので、ちょっとハッパ掛けさせて頂きましたで! マァ、そんなに好きなら勝手にシイ。わしはなんも言えんわ そう訝しげに、引き下がる程で彼は僕を見て、言った。 アンさん、仰さん眺めてるのは、随分エロいでオマンなァ! …そうなんですよね。ほんと、女より身体が好きだとしか思えない。それも漢ばかりです。オンナがより、男がオンナになった変なものばかり、なんで女性モノの下着なんか履いて、モッコリしてるのか、ソレばかり凝視してしまって… 好きでおまんなぁ、ホンマにアンさん、エロいデスナァ??! 大袈裟に大仰に僕をにやり、ニンマリと見つめる彼は相当の場数を踏んだオンナ垂らしに見えた。だが、実は相当の根っからの真面目な大人だった。 自分を見失わない、芯が合った。 僕は敵わないな、と舌を巻いた。 頑張りや、アンさん相当真面目やサカイ。 え?皆、僕の事変わった人だって言うんですけどね? そうなん?僕には変な人には見えへんな?見る目無いんかナ 彼は惚けて居るわけではなく、そんな事どうでも良いんとチャウ?そう言いたげだった。 自分が人に悪く見られて嘆いている僕は、それはあんまり、よく無いですよ、そう教えてくれて居る様に見えた。 優しい人なんですね …ふーん、そう見えるんか? ええ。 それはホンマにありがとな、マァあんまり気にしんどき。ほな、またな! ありがとう、いつも応援してます。 彼は僕の大好きな、弟みたいな奴だ。怖い見た目とは裏腹に意外と彼は、年上に対する敬意は感じる。 ボケとツッコミだったら、僕はボケに廻るだろう、そして一方の彼は、ツッコミをかまし、僕をイジリ倒して、肘をツンツンする、そんな悪戯(いたずら)ッポい、悪知恵のするワルの気風があって、僕はそんな奴が大好きだ。 性格が悪い奴が大好きになる。自分には無い要素だから、憧れる。 アンさん、それ言うたらアカンで? え? そんな奴にはならん方がええ。 そうですかね…僕って結構弱い自分コンプレックスなんですよ。嫌なんです。人から舐められるのが。 それはホンマに辞めといた方がエエで?アンさん、そんな奴になりたいですか? いや、嫌われる勇気ないし、好きな人に悪口言って心が痛まない訳ないから。 …その方がええんとちゃいますか?ワレは、なんでも屋ですがナ。 フフ、知ってますよ。普通が一番良いと思います。 そう言う結論に落ち着いた頃、彼が今トレンドになって居るドラマ、昔からそうだが、彼が出るモノが僕の鼓動を作っている事にいつも、不思議な縁を感じざるを得ない。自分がその事を、時系列的に、マサに今!その事で悩んでいたからだ。 彼の出演している作品は、どれもコレもが、僕の胸を締め付けて捕らえて離さない。 好きだとしか言えなくなる。 結婚したらしい。二度もフラれて、ミーハーなのかと思いきや、意外と役には真剣に取り組んで、観るものを虜にするその才能はズバ抜けて居た。 ありがとう、マサキ。 周りに居た誰もがえ?と動揺を隠せなかった。 何故、キミが彼にモノを言えるのか、そのふてぶてしいそのキモの座った、内面に彼らは、私だったら畏れ多くて、そんな事言えない!と尻込みしてしまうのだ。悪目立ちしてしまう事を彼は周りから咎められて居た。場を弁えろ、身の程を知れ!と。 しかし、彼は決して動じることが無く、臆する事なく、堂々と自分の意見を持っている。 ソレは並大抵の度胸が無ければ言えない。
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