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無知こそ罪
良かった、騙されていなくて。そう僕はホッと安堵した。
君がとても危ない橋を渡っていたことが僕はずっと、不安だったんだ。
そう言って彼は、息を呑んで、そのあと、ハァハァと息を切らして居る。
僕には何が何だかサッパリだ。
此処には特にナニもないと思っていたんだ。
だけど、僕は本当は皆んなに狙われていたんだ。
自分の事を蔑ろにしていた。
全ての見えて居るモノがfakeだったなんて……
僕が正しいと感じていたモノ、信じていたモノが他の何より、自分から遠くかけ離れていたんだ。
他人が言う事が正しくて、自分が間違っていたなんて…。僕は周りから、大した事はない、君は普通、何特別意識持ってんの?くだらない、と呆れ果てて見られていた。それが他人の評価が正しいなんて、なんでその人の評価が間違って居ると疑わなかったんだろう…。もっと、他人の言葉を疑わなければならなかった。それはもしかして、本当ではなく、金のやり取りの上での、偽物の愛かも知れないからだ。
自分が必要ないと思って切り捨てようとしたモノが実は、必要な情報で、必要だと思っていた情報がどうでも良い無駄なモノだ。
それは、自分自身に問えば、良く分かる。その言って居る事に納得出来ず、釈然としないモノが、頭の中に残っていた場合、それは追求せねばならない…
そんな問題意識は、無くしてはいけなかった。もう、何も本に関心が湧かない事に悩んでいた。寧ろ、文学に殆と、愛想を尽かしていた。
必要のないモノだ、つまらないものしかナイ。
そう切り捨て、希望を蔑ろにした。それは、してはならない事だった。
クソッ、と俺は舌打ちした。
目を醒さなければ
"明日が追い詰めて来る"
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