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「待ってくれ……田村!」
間宮君が、去りかけた友ちゃんの腕をつかんだ。そして……。
「×××××××××××××××××」
友ちゃんに何かを伝える。
友ちゃんが驚いた表情で、間宮君の方を振り返った。
「×××××……?」
「×××××××××××」
「×××××××××××」
「×××××××××××」
二人とも離れてしまって、しゃべっている声が、よく聞き取れない。ちゃんと会話を聞きたくて、柱の陰から移動しかけた時。
「何で……間宮君なの。何で、私に……」
「俺だって、どうしていいか、分からない」
「……どうして、私じゃないのよ!!」
友ちゃんは目に涙をためながら叫ぶと、その場を走り去っていった。
「俺だって……どうしていいのか……」
一人その場に残された間宮君は、苦悶の表情を浮かべて、額に手を当てる。
少しの間、無言で佇んでいたけど、彼も静かに、その場を後にした。
……何よ、これ。
あの会話、単なる知り合い程度の感じじゃないよね?
どうして私じゃないの、とか、俺だって、どうしていいのか分からないなんて台詞……恋愛絡みとしか思えない。
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