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間宮君のあんな感情的な言葉遣いや、表情を初めて見た。
ずっと好きで密かに追っかけてた私には、見ることの出来なかった彼を友ちゃんの前には見せるんだね。
今だけ?……ううん、きっと違うよね?
今までも、私に内緒でコソコソ会ってたんじゃないの、二人で?
ひどいよ、友香……。親友だと思ってたのは、私だけなの?私の気持ち知ってながら、相談乗るフリして、間宮君に近づいたわけ?
「……たくない」
友香には、渡したくない。
間宮君を友香に、渡したくない……。
焼けるような感情が、私の心の底に、じわじわと広がっていく。
目の奥が、ちりちりと熱い。
密かに間宮君を見てるだけで良かったのに。その横顔を、その背中を追いかけてるだけで良かったのに。知らない間に、友香は、それを軽々と飛び越えて、先にいた。
やっぱり、嫌だよ。
友香に取られるなんて。
誰かに、間宮君を取られるなんて。
……渡さないから。
……間宮君は、渡さないから。
渡さないから。
心の底に、暗くくすぶる嫉妬を感じながら、私も体育館裏を立ち去った。
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