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「麗奈れいな、だろ?」
私の両手を握ったまま、振り返る間宮君。
眼鏡の奥の切れ長な瞳が、私だけを優しく映している。
「あ……っ」
彼の胸の中に吸い込まれる私の体。
「イケナイ子だな」
私を正面から、見つめる間宮君が、握った手をそのまま引き寄せる。
「ねぇ、間宮君」
「何?」
「間宮君は……私の物だよね?」
私の質問に、間宮君の唇が、甘く歪む。
「分からないなら……教えなきゃならないな」
間宮君の右手が、私の手を離すと、代わりに、ゆっくりと私の口許に伸びてきた。
そして、私の唇を彼の指先がそっとなぞる。
「麗奈」
「間宮君……」
私は、高鳴る鼓動に、静かに瞳を閉じた。
ああ、私、間宮君と……。
ウフ、ウフフフフフフフフ……ッ!!
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