貴方だけを

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(間宮君、来るかな) 入り口付近をじっと見つめてると、彼は、同じクラスの男子何人かと食堂に入ってきた。ちなみに、彼が女子と一緒に連れ立ってきたことは一度もない。一緒したい女子はたくさんいるだろうけど、間宮君は憧れの的ながら、近づきがたい雰囲気もあって、女子と連れ立っているところをいまだかつて見たことがない。 まあ、そういう私も、こうやって遠巻きに彼に憧れてるファンの一人な訳だけどね。 お弁当も、間宮君の姿も美味しく頂いた頃、間宮君は、他の男子に言った。 「じゃあ、先に行くから」 そして、間宮君は、食べ終わったトレイを戻すと、一人学食を後にする。 だいたい、いつものパターンだと、他の男子達と帰ってゆくのに、今日は何かあるのかな? 何となく気になった私は、気づかれないように間宮君の後をそっとつけていく。 彼は、なぜか人気のない体育館裏へと行った。 (こんな所に、なんで?) そう思っていると、思いがけない人物が、後からやってくる。 ……えっ……何で……?
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