貴方だけを

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やって来たのは、友ちゃん。 どういうことよ?友ちゃんには、何百回も、私が間宮君のことが好きだと伝えてる。なのに、私に黙って間宮君と二人きりで会うのって、おかしくない? 私は柱の陰に隠れながら、静かに様子を見守る。二人は向き合うと、少しの間沈黙した。 「急に呼び出して、ごめん」 そう切り出したのは、間宮君。 えっ……しかも間宮君の方から呼び出したの?心の奥で、ジリッと何かが焼けるような音がする。 「どうしても君に伝えたいことがあって」 「……何?」 訝しげに聞く友ちゃんに、間宮君は、震えるような小さな声で答えた。 「……如月麗奈のことなんだけど」 ……えっ!?私のこと!? すると、友ちゃんは今にも泣き出しそうな顔で叫ぶ。 「麗奈のことは、話さないで!」 あまりにも強い友ちゃんの拒絶ぶりに、私は驚いた。 「気持ちは分かるけど……でも、君だから聞いて欲しい」 「今は、聞きたくないの……!」  ……どういうこと?二人は一体? 「もう、私行くね……」 友ちゃんは苦しそうな表情を浮かべながら、その場を立ち去ろうとする。
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