第二ステージで決めるぜ!

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「なんで!? ありえないんだけど! 大体さキノコは!」  雨雲の立ち込めた屋上に、声を響かせる。本日は、自分が理不尽に怒れば相手も反論してくる説でトライ中だ。 「え……え? えっと……」  キノコはと言うと、急に怒り出したからか酷く戸惑い、助けを求めるような目でミカを見ている。ミカは首を傾げて終わっていたが。 「言わせてもらうけどキノコは分かってないんだよ! 俺がどういう」  扉の開く音が声を消す。よく見る女子たちが入って来て、当然のごとくキノコに近付いてきた。本日も見事に撃沈だ。 「探したー。さっき先生が呼んでたよ。頼みたいことがあるんだってー」 「ありがとう、すぐ行くね」  気まずそうにごめんねとだけ言い残し、ばつが悪そうに屋上を出て行く。相変わらずの読めない反応に、次は俺が首を傾げてしまった。 「言い過ぎじゃね?」 ミカの叱責に、小さく肩が竦む。 「……でもよくあるじゃん、意味分かんないこと言われたら逆切れするパターン……」 「知るかよ。てか、色々やりすぎ」 「その通りです……」  核心を鋭く突かれ、がっくりと肩を落とした。ただ怒る顔が見たいだけなのに、なぜこんなに疲労困憊しているのか自分でも分からない。 「疲れるならやめれば良いのに」 「そうなんだけどさぁー! ここまでして止めたら悔しいじゃんかー!」 「お前なぁ……」  だけどそう、はじめてしまった以上、ここで止まれないのが俺なのだ。    それからも、背後から突然ぶつかりに行ってみたり、黒板消しトラップを仕掛けた上、犯人であることを自己申請したりした。だが、効果は微塵もなかった。  怒っているような微妙な気配はあったが、それが怒気(そう)なのかは判断できなかった。
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