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孤独な正義
〈橋場編〉
僕は友人がいない。昔からそうだ。
小学生の頃から、よく仲間外れにされた。友人だと思っていた相手から、「お前めんどくさい」と拒絶されたこともあった。
めんどくさい、の意味がわからずに、でも、そう言われることは不愉快で、他人との関わりを断つようになっていった。一人でいることに教師や親は心配したが、無理矢理友人を作っても、お互いにいいことなどないと悟った。
中学、高校と進学するにつれて、友人が欲しいとは思わなくなっていった。それこそめんどくさかった。
相手に合わせて自分を偽るのは苦痛だった。嘘をつくのが嫌だからと、ありのままの本音で接すると、苦笑いで去っていく。だからもう、一人がいい、一人にして欲しい、とバリアを張った。
大学に入ってもスタンスを変えなかった。大学はいい。勉強に集中していれば、他に何も必要ない。友人を作りなさい、と強要する教師もいない。一人でいることを、上から目線で哀れんでくる奴もいない。みんな、誰も僕には興味がない。
自由だ、と思っていた。
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