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さあ、これで僕の話はお終いだ。
もう少し待っていてくれたら、君の元へ僕もいく。
お見舞いで貰った果物の盛り籠の中から、君の頬のように色づく桃を見つけたなら、それを二つだけ、大事に抱えていくよ。
甘い香りの中、今度は僕が慣れない手つきでだとは思うけれど、桃の皮を剥いて、君に食べさせてあげたい。
君はきっと、圭くんっ桃が痛むからもう少し優しく剥いてっっとか、ねえちょっと圭くんっ、ちゃんと手を洗ったの? 洗ってないでしょっっ‼︎ やだっっ‼︎ とか、目を釣り上げながら言うんだろうな。
そして、あの夏のこと。
中学の入学式のこと。ポップコーンのこと。銀杏の並木道のこと。少しだけ一緒に通った公立高校のこと。
たくさん、話をしたいんだ。
くどいとかうざいとか言われようとももう一度、君の側にいると決めたから。
もし、天国でまた、君とクラスが違ったとしても。
委員会が、また放送委員と図書委員に別れてしまったとしても。
君と僕との間に、笑っちゃうような新たな「違い」ができたとしても。
そんなものなんかこの右足で蹴り飛ばし、今度は君の隣の席を、奪い取ってやる。
そして、ずっと君の側にいるんだ。
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