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「お心は保っていらしても、此処やご自分の大切なものが脅かされるなら、力で排除することも厭わない程度には、此処を放置した人間たちを恨むお気持ちはあるのです。……このままでは今のお姿すら、十年は保てないでしょう」
「でも」
ひとりが言いかけたのを、もうひとりが目で制して、俺に向き直る。
「それで、どうされます。諦めてお帰りになりますか」
見据える眼には、それを許さないという意志が表れていた。
「……諦めはしないけど、一度帰る。で、夜中にまた来る」
「は?」
「このまま居なくなったら、ばあちゃんが捜索願い出しちまう。ばあちゃんが寝たら抜け出してくる。俺だってこのまま終わらせられないしな」
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