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二章 正規ドールズ認定試験開幕
正規ドールズ認定試験とは、簡単に言うと各人形見習いが一人前の人形なるための認定試験である
この試験に合格した場合この学園を卒業できる
ドールズ認定試験は二日間に分けて行われ、一日目は私たちの糸切り人形のような裏方的なジャンルの人形の認定試験があり、二日目はマグナのような表に出て活躍するジャンルの認定試験が行われる
「ラフィネちゃん、今日は頑張って!!」
「うん……やれるだけはやる」
「……マグナこそ大丈夫なの?」
「俺はなんか……秀才って言うんだっけ?だから多分大丈夫!」
「大丈夫だとしても驕る平家っていう言葉もあるし油断はしないで」
「なに?その驕る平家って」
「簡単に言うとなんでもかんでも思い上がりすぎたら自らの地位を落とすことになるってことだと前に読んでもらった何かの本に書いてあった」
「そうなんだ~、でも多分大丈夫でしょ」
「ならいいけど……」
「でも今日はラフィネちゃんの試験だし、そっちこそ油断しないでね」
「……頑張る」
「俺はラフィネちゃんの有終を見届けるから!頑張って~!!」
「うん……」
そうしてマグナは私の試験会場となるイーストスタジアムのチケット売場方向へと小走りしていった
「あの性格だからマグナの方が本当に落ちそうで怖いんだけど……」
マグナの後ろ姿を見ながらポツリと呟いた
◇
そうして時間は経ち……
私たちの属する糸切り人形の認定試験が始まろうとしていた……
『さぁ、次の試験はこれだ~!! 観衆も挑戦者(ちゃれんじゃー)共々皆の者準備は良いか
声が五月蝿い司会者の一言によって糸切り人形認定試験の幕が上がった
「私は64番……ラストじゃん……」
「ラストは変に緊張するから苦手なのに……」
◇
イーストスタジアム観客席内
「座席番号265番、座席番号265番……あ、あった」
「ラフィネちゃんラストなんだよな……頑張ってくれよ……」
椅子に座りながらマグナは小声で願った
この試験は最高学年が対象となり、合格定員がちょうど半分の32人までとなる
しかし、最後の人は今まで何年も合格者が出ていない
その前の人が完璧過ぎて、影が薄くなっているからだ
「あの……マグナさん、ちょっと前通っても……ダメですよね……」
「うん?良いよ、通って」
「ありがとうございます……」
「座席番号266番で合ってるよね……うん、合ってる」
小声で言いながらマグナの前を通って隣の席に座った
「また声に出てるよ、フィーアちゃん」
「あ、ごめんなさい……」
この子は明日のマリオネットによる小劇で同じグループになったフィーアちゃん
一応オーキスのパートナーのツヴァイの妹
極度の人見知りかつ、いつもネガティブ面を考えてしまっている自分が知っている中の四人のうちの一人の心ある人形である
「そういえば、フィーアちゃんの妹さん出てるんだっけ?」
「はい……」
この子にはフィーナという妹というより従姉妹といった方が正しい妹がいる
「妹さん何番だったっけ?」
「えっと……、63番です……」
「え、ラフィネちゃんの一つ前……」
「えっ……」
スタジアムの空調の風が二人に寒さを与えた……
二章 終
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