「帰る場所」

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 唐突だ。  駅の改札を出た私、笹本巽は肌寒い風に思わず肩をすくめた。つい先日まで汗をかくほどの猛暑だったのに、気付けば何か羽織る服を欲している。私の前をとんぼが悠々と通る。  十月初旬。季節はいつの間にか秋へと変わっていた。
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