カノジョよりもゲームが好きな理由

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頼斗たちの母だけを、一途に愛している。 いつか、自分もそんな風に誰かを愛してみたいという願望は、実は頼斗にもある。 だけど、そんな相手はなかなか現れなくて。 だから、色んな女の子と付き合ってみて、そんな相手に出会えないかと模索しているところなのだ。 幸いなことに、常に彼女がいると言っても過言ではないくらい、容姿には恵まれている。 これを利用しない手はないと思っている。 それなのに、この隣の席の希美は何故だか姫花を一筋に推していて、頼斗に(なび)く気配が全くない。 「あっ……ごめん、そういう意味じゃなくて」 希美は何かに気付いたのか、慌てて両手を前に突き出してブンブンと振った。 その振動で、希美の赤いフレームの眼鏡が少しだけずり落ちた。 「桐生君はカッコイイと思うよ。でも、私は姫ちゃんの顔がタイプというか」 希美が、眼鏡の位置を直しながらそう言った。 「……」 誰もそんなことは聞いていないが。 だが、タイプじゃないなんて初めて言われた。 「やっぱり、梅本って変わってて面白いな」 言うことがその辺の女子とは全く違っていて、頼斗には新鮮に感じた。
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