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~時間日和とか、冬日向とか~
低い厚いにび色の雲に空が覆われて
突然の大音響
霰がアスファルトに打ち付けられる
文字通り雨粒が固形になって散らばる
また、冬がはじまるね
上空10000メートルのジェットストリームが
雲を撹拌して 時折、青空を覗かせてくれるのよね
この時と、ばかりに
陽光が射し込む
さっきまでの泣きそうなあたしの顔が
すこしだけうれしい顔になる
この瞬間がうれしい
暖かい、太陽がありがたいって
空を仰ぎ見る
青空を隠そうと急ぎ足で雲がかけだして
またその空を隠してしまってにび色の緞帳が降ろされる
そんなこんなの繰り返し
そしてまた淋しくなる
冬の空の不意にあらわれる青空と太陽
時間日和とか冬日向とか
そんな名前で呼ぶ
きょうもそんなふゆのはじまり
北風のファルセットを耳にして
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