2人が本棚に入れています
本棚に追加
お手伝い
入学式
莉香はピンクのランドセルを背負って近所の河内縄小学校の校門をパパとママと一緒にくぐった。そして周りを見渡すと男の子は黒色のランドセル、女の子は赤色のランドセルを背負っていた。
教室に行くと知らない人たちばかりでこの中でやっていけるのかとか心配になってきた。入学式の時間となって体育館に移動して式を終えた。
また人と違うって言われるのかな……。はぁー。
莉香ちゃん〜。誰か呼んだかなと振り向いた。
どうやら別の莉香ちゃんか。話しかけようにも中々話を割って話しかけることが出来ずにいた。
「ちょんちょん、莉香ちゃんちょっといい?」
うん、いいよ。名前聞いてもいいかな?
私の名前は真木田梨華同じりか同士仲良くして欲しいな。ダメかな?
いいけれど1つ約束してほしいことがあるの。
約束?どうしたの?
莉香の目が青くて金髪ってことを笑わないで欲しいの。幼稚園の時、それで笑われてイヤな思いをしてさ。
それで笑う人いるの?梨華は笑わないよ。
それなら同じ名前で分かりにくいから何か2人だけの呼び名を付けない?私はアレクって呼んで。
じゃあ私は真木田梨華だからまきりかって呼んで。
こうして莉香、花田アレクサンドラ莉香は自分のことをアレクと呼んでもらうことでまきりかと友達になる事が出来た。
1人目の友達
授業が終わってまきりかは声をかけてきた。
「アレク、一緒に外で遊ばない?」
うん、いいよ。まきりか、何して遊ぶ?
縄跳び2つ持ってきたからこれで遊ぼう。
ありがとう。じゃあ外に行こう。
じゃあまず前飛びで何回飛べたか教えて。
1、2、3、4……
え、アレクスゴいね。縄跳びやったことある?
始めてだよ。まきりかは何回だった?
まきりかは3回だったよ。アレク運動神経いいのかも。
そうなのかな?他にも何かして見なきゃ分からないよと莉香は笑いながら答えた。じゃあ明日は鬼ごっこしようよ。
鬼ごっこ楽しそうだね。早く明日になって欲しい。
翌日、給食を食べてすぐの休みにまきりかはアレク外に行くよと走っていった。そして数人の友達を連れて鬼ごっこをすることになった。
アレクは鬼ごっこで鬼以外の全員をタッチして周りは全く歯が立たなかった。みんなは悔しがっていたがこうやって楽しく出来たことが嬉しかった。
りかりかコンビ
まきりかの周りには沢山の友達が集まっているがアレク、いや莉香の周りには友達と呼べる子はまきりかしかいなかった。
まきりかは数人の友達を連れてアレクの元にやって来た。
えっ、こんな沢山の連れてきてどうしたの?
花田さん、この前鬼ごっこ楽しかったよ。よかったら私たちとも仲良くしてもらえないかな?
うん、いいけれど約束して欲しいことがあって。
目が青くて金髪のことなら梨華ちゃんから聞いたよ。花田さんの名前って何だっけ?
花田アレクサンドラ莉香だよ。りか同士だからアレク、まきりかって呼びあっているよ。
じゃありかりかコンビだね。アレクちゃんよろしくねと手を差し出されて握手を交わした。
学芸会、運動会もりかりかコンビを中心に頑張って盛大に盛り上がった。
学年が上がり
2年生、3年生ともにりかりかコンビは同じクラスでずっと一緒にいた。
アレク、今日遊びに行ってもいい?
うん、いいよ。まきりか今日は何して遊ぶ?
昨日買ったマンガあるから一緒に読まない?
いいね。じゃあ一緒にケーキ用意して待っている。
そして授業後、まきりかはアレクの家にやって来た。
まきりか、早く上がって。マンガ読ませて。
アレク、一緒に読もう。めっちゃ面白いよ。
そうなの?めっちゃ楽しみ。
この女の子めっちゃかわいいね。あ、こんないい所で終わっちゃうって……。まきりか、この続きは?
それは梨華にも分からないな……。アレクもお小遣い貯めてこの雑誌買ったら?
そうだね。お小遣い貯めて買おうかな。面白いしこの先の展開が気になるからね。そうだ、一緒にケーキ食べよう。
アレク、ありがとう。
チョコケーキとレアチーズケーキとどっちがいい?
じゃあレアチーズケーキにしようかな。
このレアチーズケーキ美味しいね。チョコケーキも食べていい?
うん、いいよ。そのレアチーズケーキ食べていいなら。
お互いにケーキを食べあってまきりかはまた明日ねと手を振って帰っていった。
そして新刊が出る度にアレクとまきりかはマンガの感想を言い合って次の展開がどうなるのかとお互いに予想しあって当たればガッツポーズして外すとシュンとなるような感じがしていた。
アレクはマンガを読むのも楽しいけれど何か新しいこと始めたいなと呟いた。
まきりかは思わずアレクはどんなことしたいとかあるの?
分からないけれど色々なことに興味があって1つに絞れない感じかな。
アレク、何それとまきりかは笑っていた。
最初のコメントを投稿しよう!