神宮寺製薬御曹司

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『コンコン』扉をノックする。 「はい」と落ち着いた男性の声。 「失礼致します」と遥は中に入る。 大きな窓からは、ガーデンヒルズビレッジが一望できる。 「本日より、神宮寺副社長の秘書を務めさせていただきます西園遥と申します」 「神宮寺翔です。よろしく」と顔を上げ遥に視線を合わせる翔。 そして、翔は内心思う。想像していた感じと違い地味だ。 先程、重役達の秘書とも顔を合わせたのだが、みんな洗練された大人の女性だった。 まあ仕事さえキッチリしてくれて、女を出さなければ容姿は関係ないのだが… ただ彼女の醸し出す雰囲気には、なぜか圧倒される。女性に対して初めて感じるこの感情が何なのかわからない。 翔は遥から視線をそらした。
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