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「秘書室には寄られましたか?」
「いえ。こちらに直接伺いました」
「では一度秘書室に顔をだしましょう。案内します」
「はい。よろしくお願い致します」
ふたりは秘書室に向かう。その間、何故か無言のふたり。
『コンコン』とノックと共に「失礼するよ」と声を掛け中に入る翔。
扉のすぐ傍に座っていた女性が慌てて応対する。
「副社長、いかがなされましたか?」
「西園さんが出社されたので顔合わせを」
と副社長に紹介され遥は皆が見える位置へ入っていく。
「西園遥です。よろしくお願い致します」
「「「よろしくお願い致します」」」
「僕は先に部屋に戻るから、一通り説明してくれるかな?」
「承知いたしました」と唯一の男性秘書が返事をする。
副社長が退室。
そして残る秘書達は西園寺カンパニーの所属。
もちろん遥の今の状況を理解している。自分達の社長が派遣されてきたのだが、敢えて口に出す者がいないだけだ。
男性秘書の森口信治は、社長秘書兼秘書室長の地位だ。
「西園さん。一通り説明させていただきます」
「お願いします」
特に説明する必要はないのだが、業務的なやり取りをするのだった。
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