完璧秘書

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副社長の挨拶だけのためすぐに終了した。 会場を後にし自分の部屋に戻る翔と遥。 遥は相変わらず一歩後ろを歩きエレベーターにはまたも役員秘書。 この連携に翔は驚くしかない。 「副社長、本日は13時から会議のため外食する時間もありませんので12時にお弁当をご用意させていただきます。それまでは、こちらの各部署の会議資料に目を通していただき、質問が御座いましたら内線で(わたくし)までご連絡お願い致します」 「ああ」今日の翔は、完璧な遥の前に返事しか言うことがない。 「何か飲み物をご用意致しますが、何がよろしいですか?」 「じゃあコーヒーで」 「畏まりました」 副社長室には、副社長のデスクと応接セット、プラス秘書用の机が入口近くにある。そしてミニキッチンが用意されている。 ミニキッチンで、サッとコーヒーを用意し副社長に出すと遥はサッサと副社長室を出て行こうとする。 「西園さん」と翔は慌てて遥に声を掛ける。 「はい」 「この部屋で仕事はしないのですか?」翔は、無意識にここに居てほしいと思っていた。 遥は表情を変えることなく、 「(わたくし)は、基本秘書室で仕事をさせていただきます。御用があればお呼び下さい」 と出て行ってしまった。 「はぁ~」と溜息をついて、自分がなぜ遥を引き止めたのか、更には全く自分に興味を示さない遥の態度にも悩む翔だった。
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