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六畳一間
俺もタツも常に金が無くて、初めは別々の部屋を借りていたが、やがて二人で六畳一間のボロアパートに住み始めた。
背格好が同じ俺たちは、下着以外の服は共用で、時には下着もテキトーだった。
二人共、家賃が浮いた程度では、外食できる回数が少し増えた程度だった。
普段はタツが掃除と洗濯して、俺が料理を担当していた。
俺は仕事で訪れる店から残飯をもらって帰り、徹底的に炒め直してチャーハンにしたり、闇鍋に仕立てたりして生活費を浮かせた。
そんな俺だったがポンコツの軽自動車を一台、所有していた。楽器の収納庫兼運搬車としての車だ。車がないと仕事ができないから、食うものを切り詰めても車は必要だった。
今年の正月、そのオンボロ車で久々に訪れた大型ショッピングモールの初売りの福引で、何と、タツの野郎が高級車を引き当てたのだ!
そりゃ、倒れそうにもなるさ。
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