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第1巻 末裔の鍵
その”扉”を開けてはならない……
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「ブユの暴走」
ブユは、自身の古きものを捨てさり、新しきものを生み出すため
四つの鍵をつくり、一つの扉を生み出した。
一つは大地―アマクを守護するスワシとレシン
二つは水底―ブルワスタックを守護するマスチュート
三つは地底―トロレルを守護するアカチュラ
四つは人間―賢者となりし愚者アバロンの騎士
四つの鍵が一つに重なる時、希望と絶望が躍るガシュフォールの地に、
重々しき扉を導き、新しき世界へと人々をいざなうだろう。
ブユ暦〇一〇〇〇年「古代ブユ人の予言」より
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先祖から末裔へ、英雄からその子どもたちへ、親から子へ、友から友へ。これは、星の終わりと始まり、その刹那と激動の時代をかけた者たちの夢と現実である。
星の終わりは、約一〇〇〇年にわたり繁栄を続けてきた三大界の歴史が終わることを意味している。星、すなわちブユによって暗示された「ブユの暴走」は、生と死、始まりと終わりの境地であり、暴走から静寂への推移である。道を迷い、死ぬ者も多くいた。そのなかでも、賢き者たちと運の良き者たちは、尊い安寧への活路を開き、新たなる時代の始まりを迎えた。
星は何者にも当てはまらない、人々の「生」のシンボルであり、畏敬すべきエネルギーの根本であった。だが、いつしか「畏れ」は「恐れ」に生まれ変わり、人々の本性を浮き彫りにさせた。それがいくつもの派閥を生み、同時に二度と取り戻せない「愛」と「喜び」を奪い去った。
これは、すでに尽きた物語、一つの試練である。
その、一つの試練がここに今、彼らの記憶とともによみがえる。
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