一目惚れほど怖いものはない

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「ママ!助けてっ」 はだけたブラウスを寄せて縁から離れようとするのに 元々の体格差からか走り過ぎて体力も限界なのか ポンコツな身体は一歩も動けず 「ママだって、フフ」 縁を喜ばせただけだった 「あ〜あ、アザになってる」 結局、抵抗虚しくずぶ濡れの制服を剥がれた私のお腹をそっと撫でる縁は 跪いてガタガタと震える身体を抱きしめると変色するお腹に口付けた 「・・・っ」 下着姿に靴下という、なんとも間抜けな格好で震える私に 「うさぎ、可愛い」 聞き飽きたセリフを並べると お姫様抱っこで持ち上げると もう一度バスタブへと投げ入れた 「・・・ギャァァ、ゴボッ・・グ」 いきなりのことに慌て過ぎてお湯を飲んでしまった 「何するのっ」 いい加減酷すぎる 温かいお湯の中で縁を睨み上げる私に 「だって君のママが“どうぞ”って言ったんだもん」 衝撃の事実が告げられた 「・・・え」なに?なんて言ったの? 言葉の意味を探ろうとする頭は衝撃的過ぎて考えることをやめたようで理解ができない それに追い討ちをかけるように 「うさぎのママがね?俺に“どうぞよろしく”って言ったんだ だから正真正銘、今日から君は俺の物」 綺麗に笑った縁は 「逆上せちゃうよ?」 上機嫌で片目を閉じた
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