両手の中の幸せ

初めての感情

ある日、ヨーロッパのクライアントとオンラインでの会議を終え、自分のオフィスに帰ってくると、沙羽がひとりオフィスに残っていた。

もう夜9時を過ぎている。

疲れたのか沙羽は自分の机に突っ伏していた。

1ヶ月前、僕が沙羽をプロジェクトリーダーに推薦した。
沙羽に好意を抱いてるのを差し引いても、彼女には十分に仕事をこなせる力がある。

沙羽に頑張って欲しいとの思いもあって推薦をした。

しかし、毎日忙しくして疲れている顔を見ると、推薦したことを少し後悔した。