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ノウサギのなのは、野原をぴょんぴょんぴょんぴょんと駆け回っていた。
生い茂った木いちごの実を食べて、
草葉から長い耳をクルクルのそばたてて、鼻を突き出して、地上から空から襲いかかってくる天敵達の動向に気を付けながら、
「うーん・・・今のところ異常無しだね。」
ノウサギのなのは、ぴょーんと跳び跳ねると野原を思いっきり駆けた。
「久しぶりだなー。こんなに気持ち良く走れるなんて。太陽が暖かくて風も心地いいー。」
ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!
軽快なステップを踏んで、ゆみるは駆ける。
何処までも自由な世界。
飛び交う小鳥達の楽しい歌が、ゆみるの長い耳へ聞こえてきた。
「こんにちわー!ウサギさん!」
小鳥がウサギのゆみるに挨拶しに来た。
「こんちわぁー。いい天気だねー。」
ノウサギのなのは、小鳥に向かってジャンプしながら答えた。
一歩一歩、後ろ足を踏みしめて跳び跳ねる度にゆみるの胸に希望が湧き、生きている事の一時の幸せを噛み締めていた。
ふと思い出したように、鼻と耳を突き上げて、何時来るか解らない天敵の動向に気を配りながら。
ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!
「あれ・・・ちょっと待てよ・・・?
私、なにか忘れてるような気がする・・・????」
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