王女をやめて村娘Eに再就職した私ですが、畑で王子を掘り当てて鍬を片手に冒険に出るようです

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『お困りのようかな?』  アンドロイド王子と結婚して子作りのち王妃ルートなんて絶対ごめんよっ!! と内心で叫んだ瞬間、どこからともなく声が響いた。  これまたダンディーな声に私は無意識のうちに返事をする。 「ものすっごく困ってるっ!!」 『助けをお求めかな?』 「メッチャ求めてるっ!!」 『よろしい。微力ながらお力添えいたそう』  ……って答えちゃったけど、あんた誰?  と思った瞬間、今度は私の手元から光が生まれた。  ハッと視線を落とした私の目に映ったのは…… 『我が名はエクスカリバー。大地を割り、豊穣の実りを約束する者。我が力を求めし乙女よ、我が名を呼べっ!!』 「鍬なのにエクスカリバーっ!?」 「ぬぅっ!? 封じられし(いにしえ)の農具を目覚めさせるとはっ!!」 「えっ!? これそんな御大層な代物だったのっ!?」  納屋に転がっていた薄汚れた鍬なのにっ!?  ……ってええいっ!!  もうこの状況を何とかしてくれるならなんだっていいわよっ!!
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